7月28日、日本相撲協会から一つの静かな発表があった。
「序ノ口行司・式守風之助が退職」。
あまりにも突然すぎる別れに、相撲ファンの間ではざわつきが止まらない。
彼はまだ18歳。ようやく人生が始まったばかりだ。
それでも、“辞める”という決断を下した。
いったい、なぜ？
何が彼をそうさせたのか？
そして、彼は一体どんな人物だったのか？
今回は、惜しまれながらも土俵を去った若き才能・式守風之助の背景、魅力、そして退職の真相について、じっくり紐解いていく。
■ 式守風之助とは何者か？ プロフィールを解剖
まずは、彼の基本情報を見てみよう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 行司名 | 式守 風之助（しきもり・かぜのすけ） |
| 本名 | 渡邉 剛翔（わたなべ たくと） |
| 生年月日 | 2007年7月6日（令和7年現在：18歳） |
| 出身地 | 静岡県掛川市 |
| 所属部屋 | 押尾川部屋 |
| 初土俵 | 2023年7月場所（当時16歳） |
彼が行司というニッチで伝統的な職を選んだのは、なんと中学生時代。
当時の彼は、休校中にテレビで相撲を見て行司に興味を持ち、木村庄之助親方へ手紙を書いたというエピソードが残っている。
その一歩が、まさに人生を変えた。
「相撲を裁く人になりたい」と心から願い、16歳で入門。
そして、異例の若さで土俵に立った。
■ 経歴の中に見える“真面目さ”と“覚悟”
行司という職業は、思っている以上に過酷だ。
ただ勝敗を告げるだけではない。
番付の筆耕、勝負審判、裏方仕事までこなすマルチプレイヤー。
しかも衣装は重く、精神的にも緊張の連続。
そんな環境の中でも風之助は、若さを感じさせない所作と誠実な仕事ぶりで一躍話題に。
特に人気を博したのが、所作の美しさと、失敗に対する誠実さ。
「物言い」がついた場面でおろおろしながらも懸命に対応する姿は、観客の心を打ち、SNSでは「風プロ」「推せる」「守ってあげたくなる行司」と絶賛の嵐。
また、ちゃんこ番や売店対応など、裏方仕事にも率先して取り組んでいた。
与えられた場所で全力を尽くす、その姿勢が多くの人の共感を呼んでいたのだ。
■ では、なぜ辞めたのか？ 退職理由を考察
多くのファンが最も気になっているのが、この問いだろう。
「風之助、なんで辞めちゃったの？」
日本相撲協会の発表は淡白だった。
「退職は事実です」
理由については一切説明なし。
名古屋場所の千秋楽（7月27日）まで、彼は普通に仕事をしていた。
体調不良の気配も、問題行動も見られない。
最後までキビキビと、そして丁寧に土俵を裁いていたという。
このことから見えてくるのは、「トラブルや不祥事」ではなく、自らの意思による退職の可能性だ。
行司としての仕事をまっとうした上での決断──。
そこにあるのは、「やりきった」という充足か、「別の世界を見てみたい」という若者らしい衝動かもしれない。
16歳でプロとして社会に出た彼。
18歳の今、人生を見つめ直すタイミングとしては、決して不思議ではない。
■ 学歴は？ 進学はしていない？
彼の学歴についても気になるところだが、中学校は静岡県掛川市立大須賀中学校を卒業していることが分かっている。
高校には進学していないようで、卒業後すぐに押尾川部屋へ入門。
つまり、学業よりも早く“プロの道”を選んだということになる。
もし退職を機に、再び学びの道へ進むのであれば、それもまた一つの勇気ある選択だろう。
■ 彼女はいる？ 恋愛事情は？
そして気になるのが、風之助のプライベート――特に恋愛事情。
調べた限りでは、彼女がいるという情報は一切出ていない。
結婚はもちろん未婚。SNSでも恋愛に関する投稿や噂は見つからない。
だが、10代という年齢を考えれば、それも当然かもしれない。
仕事中心の生活であったことを考えれば、恋愛は後回しになっていた可能性が高い。
とはいえ、これから“普通の18歳”としての生活が始まるなら、恋や青春も大いに楽しんでほしいものだ。
■ 最後に──「辞めた理由」は本人しか知らない。でも…
式守風之助という存在は、ただの序ノ口行司ではなかった。
彼の姿には、相撲の神聖さと、人間らしさが同居していた。
完璧じゃない。でも、だからこそ応援したくなる。
誰もが“あの若さで、よく頑張ったね”と声をかけたくなる存在だった。
退職という決断は、決して後ろ向きなものではないだろう。
むしろ、風之助は今、新しい人生の一歩を踏み出したのだ。
もう彼が土俵を裁く姿を見ることはできないかもしれない。
それでも、彼の所作や佇まいは、確かに多くの人の記憶に残っている。
風のように現れ、風のように去った行司・式守風之助。
その名は、相撲界に残した一陣の風として、静かに語り継がれていくことだろう。
✦ 今後、本人から語られる日が来たら、またきっと“風”が吹くはずだ。
そのときを、静かに待ちたい。
コメント