ある春の朝、静まり返った東京の街を走る一台のタクシー。
その車内で、信じられない言葉が飛び交った──
「殺すぞ」
暴言、アクリル板を殴る音、引っ張られる腕。
これは酔った乗客の戯れではなく、国民的アーティストによる“現実の事件”だった。
犯人は、三代目J SOUL BROTHERSのメンバー・今市隆二。
そしてその事件の裏には、まだ誰にも知られていない“もう一人の男”と、恐怖を抱えたまま沈黙を貫くタクシー運転手の存在があった。
本記事では、事件を巡る「同乗者は誰だったのか?」「運転手はどんな人物か?」という2つの焦点に迫りながら、報道の“行間”を読み解いていく。
■ 事件の全貌──「酒に酔っていた」「イライラしていた」それで許されるのか?
2025年4月5日 午前5時ごろ。
今市隆二は都内で飲食を終え、知人男性と共にタクシーへ乗車。
乗車時間はわずか10分ほどだったが、その間にタクシー運転手に対して「殺すぞ」と脅す暴言を吐き、アクリル板を叩く、腕を掴むといった暴力的行為に及んだとされている。
本人は「乗る前に別の人ともめてイライラしていた」と供述。
酒も入っていたとのことで、いわゆる“酔った勢い”というやつだ。
しかし、これはただの迷惑行為では済まされない。
彼は公共交通機関の車内で、職務中の人間に対して威嚇と暴力を加えたのだ。しかも、立場は「国民的アーティスト」。責任は重い。
■ 同乗者は誰だったのか?──報じられない“もう一人の男”の正体
この事件には、もう一人の重要な存在がいる。
そう、「同乗していた知人男性」だ。
事件当初から、その人物に関する情報は一切出てこない。報道各社は「知人男性」と表記するのみで、年齢も職業も、顔も名前も伏せられている。
この“匿名性”が、かえってファンやネットユーザーたちの好奇心をかき立てている。
▽ グループメンバー説は否定的
真っ先に疑われたのは、今市と普段から行動を共にする三代目JSBの他メンバー。
しかし報道では、彼らの関与を示す情報は一切出ていない。仮にグループメンバーであれば、騒動の波紋がLDH全体に及びかねない。
そのような事務所のリスク管理を考えれば、グループ内の人物ではない可能性が高い。
▽ 芸能人? 一般人? 今市の交友関係から読み解く
今市はLDHの中でも特に人脈が広く、俳優・アーティスト・モデルなど、ジャンルを超えて多くの芸能人とプライベートでも交流がある。
過去には登坂広臣やEXILEのAKIRA、TAKAHIROらと親しく、食事やイベントでの目撃情報も多い。
ただし、今回の“知人男性”が彼らである確証はどこにもない。
むしろ、報道機関が慎重に匿名を保っていることから、芸能人ではなく、プライベートな一般人の可能性も十分にある。
あるいは、表には出ない業界関係者、もしくはクラブや飲食の接客業など、今市の私生活に接点のある人物かもしれない。
いずれにせよ、重要なのはこの同乗者が“何を見て、何を語ったか”である。
それでも報道されないということは──事件の当事者ではない、あるいは完全な傍観者だった。そう見なされている可能性が高い。
■ 運転手の沈黙──「ここまでの恐怖はなかった」と語った男の素顔
一方で、確実に“被害者”でありながら、これまた匿名を貫いているのがタクシー運転手の男性だ。
事件後、運転手は警察に事情を説明し、「ここまでの恐怖を感じたことはなかった」と語っている。
それは暴言や暴力のショックだけではない。
相手が“有名人”であるという現実が、被害者に与えるプレッシャーは計り知れない。
▽ なぜ名前が出ないのか?
運転手の名前、年齢、所属タクシー会社──すべてが伏せられているのには明確な理由がある。
それは、「誹謗中傷」と「報復リスク」だ。
近年、芸能人が絡むトラブルでは、被害者でさえSNSなどで攻撃される事例が後を絶たない。
特に熱狂的ファンを抱えるアーティストの場合、被害者側に非があるかのような歪んだ論理で責められることさえある。
そのため、運転手側は代理人弁護士を通じて、「名誉を守るために」匿名を貫いているという。
■ これは氷山の一角か──怒りの連鎖が生んだ“朝5時の事件”
今市は、「乗る前に別の人とトラブルになり、イライラしていた」と話している。
つまり、事件の引き金はタクシー以前にあったということだ。
しかし、その“イライラ”を他人にぶつけて良いはずがない。
しかも、相手は真面目に働く一人の労働者だ。
人気商売に身を置く人間が、私人の顔で起こした暴力行為。
それはたった10分間の車内で起きたが、影響は今もなお尾を引いている。
■ 終わらない“沈黙”──今後、明かされる日は来るのか?
現時点で、同乗者と運転手、どちらの正体も明かされていない。
この「沈黙」は偶然ではない。関係者たちが意図的に守っている“沈黙”だ。
それは同乗者に対する配慮かもしれないし、運転手を守るための選択かもしれない。
もしかしたら、事件そのものの“深さ”を物語る、見えない壁なのかもしれない。
今後、検察による起訴判断が下されることで、何かが明らかになる可能性はある。
しかしそれでも、関係者の名前が出るかどうかはわからない。
公になるのは、“真実の一部だけ”かもしれない。
■ 編集後記
この事件は、単なる暴行事件ではない。
国民的アーティストが起こした、感情の暴走が引き金となった“社会的ショック”だ。
真実のすべてを知る者は、限られている。
だが、私たちにできるのは「冷静に事実を見つめること」。
そして、沈黙の奥にある人々の感情や立場を、少しだけ想像してみることだ。
続報が入り次第、さらに深く掘り下げていきたい。
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