女子プロレス界に衝撃が走ったのは6月30日。女子プロレス団体「ディアナ」から、所属選手・マコトユマ(17)が退団し、さらにはプロレス界そのものから身を引く“廃業”を選んだことが正式に発表されました。
まだキャリアわずか1年足らずの若手有望株に、いったい何があったのか。ファンや関係者の間でさまざまな憶測が飛び交っています。本記事では、公式発表を元に、その背景と考えられる要素をわかりやすく、そしてリアルに考察していきます。
■ 「背信行為(指示不服従)」の意味深な言葉の裏側
今回のディアナの発表で一際目を引いたのが、「複数回にわたる団体への背信行為(指示不服従)が確認されたため」という退団理由。これだけを聞くと、単なるケガや進路変更とはわけが違う、かなり深刻なトラブルを想像せざるを得ません。
「背信行為」「指示不服従」といった言葉は、一般企業や芸能界でもしばしば使われる“オブラートに包まれた厳しい表現”です。具体的には、以下のような事態が想定されます。
- 団体が定めた方針や規則への反発
- トレーニングや試合での協調性の欠如
- 無断で他団体と接触した可能性
- SNSやメディアでの軽率な発言や行動
とくにプロレス界は、団体ごとの結束や信頼関係が非常に重視される世界。若手であってもその“空気”に順応できなければ、居場所を失ってしまう厳しさがあります。
■ マコトユマの急成長と、その影での葛藤
マコトユマ選手は、幼少期から格闘技の世界に身を置き、6歳で「高田道場」に入り、レスリングでオリンピックを目指していた逸材。しかし中学時代に女子プロレスと出会い、ディアナに入門。昨年2023年10月、プロレスの聖地・後楽園ホールで堂々デビューを果たしました。
さらに、新世代のスター発掘を目的としたスターダムの「NEW BLOOD」にも度々出場。6月4日にはタッグ王座に挑戦するなど、業界内外から注目を集めていた選手です。
しかし、一方で「急成長の裏に本人の焦りやプレッシャーもあったのでは」と見る声もあります。
17歳という年齢を考えれば、まだ学生と同年代。普通なら学校生活と友人関係を楽しんでいる時期に、彼女は厳しいプロの世界で結果を求められてきました。心身のバランスを崩しても不思議ではありません。
■ 「廃業」という異例の決断の重み
今回、単なる“退団”ではなく“廃業”という表現が使われたことも、業界関係者の間で大きな話題となっています。これはつまり、他団体への移籍やフリーでの活動すら選択せず、完全にプロレス界から姿を消すという意味。
通常、将来有望な若手が別の団体で心機一転を図るケースは多いですが、今回は完全な引退。背景には、以下のような複数の要素が絡み合っている可能性があります。
- 団体との関係悪化が深刻だった
- 心身の限界や燃え尽き症候群
- 学業や別の進路を優先する決断
- 今後、業界内での再スタートが難しい状況
こうした事情は、外からはなかなか見えない部分。しかし、17歳という若さで自ら「終わり」を決断するには、よほどの覚悟と苦しみがあったはずです。
■ マコトユマの本音と、ファンへの最後のメッセージ
マコトユマ選手は、自身のSNSで以下のように語っています。
「関係者各位ならびに応援してくださったファンの皆様、ご期待に添えず大変申し訳ありませんでした…」
「くじけそうになった時、頂いたお手紙やお言葉を思い出して自分を奮い立たせてきました」
そこには、プロレスという過酷な世界で戦い抜いてきた若者の素直な思いと、ファンへの深い感謝がにじみ出ています。夢と現実のギャップ、期待とプレッシャー、その狭間で揺れ動いた心情が痛いほど伝わってきます。
■ ディアナ代表・井上京子のコメントに見る“次への決意”
ディアナ代表の井上京子氏も、SNSで次のようにコメントを残しています。
「残念ですが、いま所属している選手と毎日プロになる為に頑張っている仲間とまた前に進んで行きます」
華やかな舞台の裏で、団体側もまた厳しい決断を下し、次のステージへ進もうとしていることが伝わります。
■ 終わりに:若さと才能、その狭間に潜む難しさ
マコトユマ選手の退団と廃業は、ただの“個人の問題”では片付けられない、プロレス界の厳しさや、若手育成の難しさを象徴する出来事とも言えるでしょう。
夢を追う途中でつまずき、違う道を選ぶこともまた、人生の大切な決断です。ファンとしては寂しさが残りますが、彼女の今後が幸せなものになることを願わずにはいられません。
そして、ディアナや女子プロレス界がこの経験をどう次に活かすのか、今後の動きにも注目が集まります。
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